ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。
働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。
貧困ビジネスが無くならないのは、貧困ビジネスに引っかかる人が後を絶たないからである。僕がよく引っかかるのは「急場を凌ぐ」系のものばかりで、そのターゲットは完全に僕のような人間に絞られている。
「今、現金が欲しいんだろ?」 そう、今現金が欲しいのだ。 家賃や借金は現金でしか払えない場合が多い。
間に合わずについてしまうバツと、仕組み上可能ではあるが確実に金銭的に損をする貧困ビジネス。この両者が天秤にかけられる。
確かにiTunesカードやAmazonカードをクレジットカードや携帯のキャリア決済で買って現金に替えるのは愚かな選択だ。5万円で1万円札を4枚買うのがどれほど無駄な損失であるか、最後まで気づかない人はほとんどいないだろう。
ではなぜ僕たちはこうした燃費の悪い行動を繰り返してしまうのだろうか。 それは見据える将来が極端に短いからである。
例えば僕は、11月のある日に家賃が払えないことに気がついた。支払いの日はもう明日に迫っていて、あと3万円を用意するのが難しかった。とりあえずなんとかしないと、と思い口座の中やら換金できるポイントサイトを探しまくり
、auキャリア決済が5万円分残っていることに気づいた。しかしキャリア決済で家賃は払えない。でも目の前には使える金が5万円分ある。クレジットカードの現金化をしていた時の苦肉の策が脳裏に過ぎる。
iTunesカードを買い、金券ショップで売った。5万円分のiTunesカードは金券ショップで約4万5,000円で売れた。 4万5,000円のうち3万円を口座に入れ、家賃を払った。
残りの1万5,000円をそのまま口座に入れずに財布に詰め込み、今回の交換でただただ失った差分の5,000円を取り戻すためにパチンコに行って全部失った。
支払い攻撃の猛攻を凌げるのか
12月。年末の支払い攻撃を凌ぎ切るべく、更に友人たちからも金を借りてハリボテの城に立て籠った。家賃、月々の返済、インターネット使用料。それぞれ引き落とし先が違う口座たちが被弾していくが、まだ耐えられる。敵を知って己を知る、だ。
僕は20日頃に日雇いの金と原稿料を各口座への防衛費用として振り分けた。年末は支払いの日が手前にずれ込む事があるからだ。 それぞれ数百円ずつ残った口座が戦闘終了の報告をしてくる中、正門を任せているメイン口座「三菱UFJ銀行」から伝令を受ける。
「携帯料金6万円でもう耐えられません、至急追加の入金を!」
携帯料金は6万円に……
冬にしては珍しい、青天の霹靂だった。 携帯料金6万円は、子供の頃にもらった携帯でエッチなコンテンツをダウンロードして以来の金額だった。急いで戦況を確認する。
頭の中では「不正利用」と「詐欺」の言葉が縦横無尽に駆け回っていた。顔も知らない加害者への憎しみが湧いてくる。よりにもよって貧乏な僕をターゲットにするその心根が許せなかった。 「iTunesカード購入 50000円」
まさしくもう一人の、1ヶ月前の自分が犯人だった。天を見上げる。雪の季節の曇天が広がっていた。
働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。
貧困ビジネスが無くならないのは、貧困ビジネスに引っかかる人が後を絶たないからである。僕がよく引っかかるのは「急場を凌ぐ」系のものばかりで、そのターゲットは完全に僕のような人間に絞られている。
「今、現金が欲しいんだろ?」 そう、今現金が欲しいのだ。 家賃や借金は現金でしか払えない場合が多い。
間に合わずについてしまうバツと、仕組み上可能ではあるが確実に金銭的に損をする貧困ビジネス。この両者が天秤にかけられる。
確かにiTunesカードやAmazonカードをクレジットカードや携帯のキャリア決済で買って現金に替えるのは愚かな選択だ。5万円で1万円札を4枚買うのがどれほど無駄な損失であるか、最後まで気づかない人はほとんどいないだろう。
ではなぜ僕たちはこうした燃費の悪い行動を繰り返してしまうのだろうか。 それは見据える将来が極端に短いからである。
例えば僕は、11月のある日に家賃が払えないことに気がついた。支払いの日はもう明日に迫っていて、あと3万円を用意するのが難しかった。とりあえずなんとかしないと、と思い口座の中やら換金できるポイントサイトを探しまくり
、auキャリア決済が5万円分残っていることに気づいた。しかしキャリア決済で家賃は払えない。でも目の前には使える金が5万円分ある。クレジットカードの現金化をしていた時の苦肉の策が脳裏に過ぎる。
iTunesカードを買い、金券ショップで売った。5万円分のiTunesカードは金券ショップで約4万5,000円で売れた。 4万5,000円のうち3万円を口座に入れ、家賃を払った。
残りの1万5,000円をそのまま口座に入れずに財布に詰め込み、今回の交換でただただ失った差分の5,000円を取り戻すためにパチンコに行って全部失った。
支払い攻撃の猛攻を凌げるのか
12月。年末の支払い攻撃を凌ぎ切るべく、更に友人たちからも金を借りてハリボテの城に立て籠った。家賃、月々の返済、インターネット使用料。それぞれ引き落とし先が違う口座たちが被弾していくが、まだ耐えられる。敵を知って己を知る、だ。
僕は20日頃に日雇いの金と原稿料を各口座への防衛費用として振り分けた。年末は支払いの日が手前にずれ込む事があるからだ。 それぞれ数百円ずつ残った口座が戦闘終了の報告をしてくる中、正門を任せているメイン口座「三菱UFJ銀行」から伝令を受ける。
「携帯料金6万円でもう耐えられません、至急追加の入金を!」
携帯料金は6万円に……
冬にしては珍しい、青天の霹靂だった。 携帯料金6万円は、子供の頃にもらった携帯でエッチなコンテンツをダウンロードして以来の金額だった。急いで戦況を確認する。
頭の中では「不正利用」と「詐欺」の言葉が縦横無尽に駆け回っていた。顔も知らない加害者への憎しみが湧いてくる。よりにもよって貧乏な僕をターゲットにするその心根が許せなかった。 「iTunesカード購入 50000円」
まさしくもう一人の、1ヶ月前の自分が犯人だった。天を見上げる。雪の季節の曇天が広がっていた。